ゴミの話

新聞にゴミの話が載っていた。


ゴミだから不要なものだが、そのコラムには歴史のゴミ、時間のゴミについて書かれていた。

今の中国の社会現象を描いたものであった。


若者の無気力現象を語っているのだが、社会の不公平な仕組みにお手上げして、

野となれ山となれと不貞腐れ、寝て腐れとなっている。


経済の行き詰まりからコネの無い若者にサバイバルのチャンスがないことが原因になっている。

元を正せば社会制度の欠陥から出た現象である。


日本にも失われた20年と言われていた時期があった。バブル経済が崩壊して衰退の時期があった。加えてリーマンショックが追い打ちをかけ、物流のトラックの姿が消えた時期があった。これは歴史のゴミだったのか。


広大な農地は集約農業が進んでいるが、山間部の沢田などは大規模な集約的な農場には向かず

後継者のない農地は放棄され、葦が生え、やがて柳の林になり、原野に帰る。


遠い昔からそこで開墾、暮らして作られた美田は現代の人には何の意味もない農地で、この世にいない先祖の暮らしはゴミだった。これは歴史のゴミそのものである。


朝、起きればテッシュで目鼻を拭くそれがゴミの始まりとなり、新聞を開いて読み終わればゴミになる。味噌汁の豆腐の容器も油揚の包装もその通り。


仕事に行けばお茶の容器、昼飯のおにぎりの包装紙。帰れば晩酌の容器。そのおつまみの包装紙。

寝ても覚めてもゴミの出る世界。


仕事柄ゴミの量は半端でない。月に5トン前後のゴミが出る。世の中うまくできている。

そのゴミをリサイクルする業者が現れた。剪定ゴミ、紙、プラ、ガラス、金属、コンクリートなんでもリサイクルされる。


無形のゴミはのちに教訓とされ、有形のゴミはリサイクルされる。

チャイナの今も、後には教訓とされ生かされるだろう。無駄なことなどない。

ロシアの若者が戦場での夥しい死はロシアの将来の教訓とし生かされない。

なぜなら産めや増せを国策としている。14歳で婚姻できる制度まである。

10人産めば住宅と公務員の職が充てがわれる。時の独裁者は兵隊が欲しい。

豚や鳥のように扱う命はゴミのようだ。


歴史の勉強は過去から学ぶ事でありロシアの権力者は、

その経験を履き違えて兵隊を増やすことにした。

若者は戦場で人殺しをするために生まれたわけではない。ましては独裁者のためにでもない。


ロシアの権力者達は命をゴミとしている。

彼らは歴史の教訓として命の使い捨てを学んだのだ。


対して若者は使い捨てのゴミにならない生き方を歴史から学ぶべきである。

独裁者に「NOー」と言う勇気の恐怖は、戦場での恐怖に勝るのだろうか。


こんな歌がある。

「一糸乱れぬパレードの中 歩く一人の兵隊さんになるために君は生まれたのかい」


この曲は「質問があります。」の一節だ。

歌い手は安倍みなみです。


若者の素朴な問いかけに心打たれる。

たまさか東京の我が子の住まいを訪ねるのが楽しみとしている。

早起きの私は彼らの住まい周辺を散策する。


細い路地裏に整然と置かれた生活ゴミを見るとゴミに見えないのが不思議だ。

都会の風景に程良く溶け込んでいて写真に撮ってインスタに上げたい思いだ。

今日は氷雨の中辛い思いで仕事した。


手にしていたのは銃でなく鋏でよかった。



みやぎ野造園

1977年宮城県仙台市で開業。現在は富谷市明石にて営業。 近年は庭石の撤去工事が多く、その石を破砕して再利用した お洒落なロックガーデンやガーデニングに力を入れています。