食べたことない魚。
私は魚を一尾買いして調理する事が得意である。
魚釣りが趣味とあって持ち帰った獲物の調理はつきものである。海魚、川魚どちらも捌ける。
しかし震災後、海には一度も入ってない。
最近はもっぱら渓流釣り一本になった。
理由は雨の日狙いの釣りだからである。また雨の日は大手を振って休める。
沢水の透明感はそのまま手で掬って飲めるほどである。
当然魚属の魚眼レンズには不審者は丸見えでその侵入者の投じた餌など見向きもしない。
だが彼らには雨の日の増水で濁った水面外の情景は見えない。
針のついた餌を何の疑いもなく食うし、大雨で増水した滝を遡上するのを良く見られ、動きは活発である。
私の狙いはそこである。難なく釣れる渓流魚は大雨の日に限る。
台風が日本にまた上陸している。
東北地方はあんまり台風は上陸しないのだが今年は猛暑、大雨、台風が沖縄、九州辺りの様相である。
大型スーパーの魚売り場を覗くと昨年あたりから飛魚、太刀魚、真鯛、喉黒、石鯛などあんまり東北では目にしたことがない種類が並べられてる。普段こちらの人は食べないので、売れ残りの赤札がついて高級魚が形なしである。
今日も飛魚が並んでいた。昨日より安い。水揚げの量が多いのだろう。
この魚は岩手の三陸沖で水揚されたと買いてあった。海水が沖縄あたりの水温になってる。
食べたことがないので二の足を踏んだがこの魚の出汁「顎出し」を普段使ってるので試しに2尾買ってきた。フライが良いらしい。早速やってみる。普段見かけないので当地の消費者は手が出ない。
貰い物でイサキの切り身の詰め合わせをいただいた。
素晴らしい食味で、それ以来店頭に出ていたらよく買う。頭付きが出てる時は刺身として捌いてる。このイサキも暖方系の魚で当地では全く認知されてないし高いのでよく赤札がついている。
食わず嫌いは救いようがない。
太刀魚も美味しい。太いものが並んだ時は高くても買う。傷みが早いので夕方行けばディスカウントものだ。刺身もあると聞く。傷みが早くて出回らない。残念だ。
喉黒。ハゼのような代物だ。確かに喉が黒い。気味が悪くて手が出ない。
おそらく美味しいのだろう。今度は勇気を出して買ってみよう。
山菜で美味しいタラの芽の天ぷらは誰もが知っている。
同じ種類の漆の天ぷらも極上の美味と言われる。あの痒くなる漆を天ぷらにして食べる勇気の人はいるだろうか。
海鼠、ホヤ、ウニ、誰かが食味してこれは美味いとして世に広まった。
さすがに漆の天ぷらは食通の一部の肝試しだけの食材だった。だいたい採取したらたちまち被れる。こわい怖い誰も近寄らない。食べたら胃の中から被れそうだ。
赤カビ、別名紅麹。痩せ薬のサプリメントとして販売されそれを信じた購入者が死んでいる。
子供の頃、食べ物に赤カビの出たものは食べるなと古老の教えである。白麹は良しとして教わった。納豆や味噌につく。
野にある野草も食べられる物、薬になる物を何万年も人類が試し食いをしてるうちに選り分けられたのだ。
今日、食べられる物、薬や毒草と見分けられるものには、相当数の人々が犠牲になったのだ。
店頭に並べられてるノドグロだっておそらく美味しいのだろう。勇気を出して食ってみたい。
そろそろハゼ釣りのシーズンだ。
雨の日の釣果 良く釣れた。川魚は味噌を塗すととんでも無く美味しくなる。岩魚です。
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