生きる。
立春が過ぎ今日は雨水。
仙台湾の日の出は6時半。ひだまりで白梅の咲いてるのを見かけた。
雨水、啓蟄、春分の日、寒さ暑さも彼岸までの言い伝えの通り春はそこまできている。
雨水の中、今日は30cm超える大雪になった。
大雪の中でもいつも通り畑の作業場に行かねばならない。
野良猫の一家が首を長くして私を待っている。着くと深い雪を掻き分けて私の車に一目散に駆け寄ってくる。
「チャン、遅いよ。お腹ペコペコだよ」とみんなで騒がしい。一家は4人家族である。
遠い昔、出稼ぎの父が亡くなった。
12、10、7、5歳の兄、私、弟、妹の兄妹は父の死の意味がわからなった。
ただ母一人泣いてるばかりの日々の意味も知らなかった。
聴覚障害の兄と幼い弟と妹は母と。
私だけは親類の家で暮らすようになり初めて我が身の置かれてる身の上が知れた。
その世話になった家は牛を飼っていたので、その牛の世話が日課であった。
牛達は毎日一緒だから皆友達だ。
世話になってる親類の家族に、一歩も二歩もへり下って生きていくのは子供心につらかった。
寝る前に野外で放尿する時、見上げる満天の星の中にある三つ星のオリオン座にいつも父を見た。
中学卒業して間を置かずに東京へ出た。蒸気機関車である。
上野まで十五時間である。苦しい、辛いは慣れっこである。衣食不足で礼節も何もない。
ただ生き残り方策しか頭になかった。
そんな中、読書にハマった。キッカケは吉川英治、司馬遼太郎だった。
その後、仕事のノウハウはもちろん、失恋、恨みつらみ、釣り、英語の勉強、海外渡航。
子供が現れてからはお弁当の勉強、今ではお絵描きのノウハウ。
そして終活に関わるビジネスの研究。知らない世界は読書でカバー!これは私の特技である。
10歳の頃満天の星の中に見たオリオン座は、東京の夜でも見続けた。
今も冬空の中で見ている。遠い幼い頃と同じく見るたびに目元が潤む。
私が現れる前からそして消えても、あの三つ星のオリオン座は光続ける。
父の顔は忘れたけれど母の愛は深かった。頬を濡らす涙は全てを洗い流す。
生まれて良かった。
衣食足りて礼節を知る。日本の美学である。
母は強。3人の子供を守ってる。偉い。
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