雑草の世界その2

時の移ろいは密やかにそして確実に過ぎて行く。


ヒグラシが鳴いている。


どこを向いても雑草繁茂の世界である。



それをかき分けて地面を覗くとまさしく原宿の竹下通りである。さまざまな虫たちがワイワイガヤガヤと動き回っている。


あらゆる植物は夥い種子を落とすか風力に乗って飛び散るか。あるいは他の方法で次世代への苛酷な生き残りをしている。



一年草は盛りをすぎると種子を残して一旦姿を消す。寒暖、過湿、乾燥に適応したそれぞれの生き残りの時期がある。



「夏」「秋」の草は草丈が高いので背丈の低い草は

「夏」「秋」の草の足下でじっと冬枯れするのを待っている。そして春に顔を出して夏草の出るまで短い生命を謳歌する、


全ての生き物同様、植物も発芽、生育、盛り、衰退がある。冬の季節にはほとんどの草々は消えていく。しっかりと次世代の種子を残し、あるいは地下に埋もれて自分の季節を待っている。


多年草。別名:宿根草。

寒い冬季は地上部は姿を消すがその前にしっかり種子を飛散して自らは地下に埋れて越冬、拡散していく草。種子だけを残していく一年草と違ってこれまた厄介者である。



1年草は種子が落ちる前に除去すればやがて姿が見えなくなる。多年草、宿根草は地表部分を除去してもまた顔を出す。



掘り起こすしか方策はない。農地ならトラクターで撹拌すれば解決するが宅地内は人力作業となる。これは無理な相談となる。



一般に宅地内で目につく宿根草はスギナ、ドクダミ、チガヤです。これらは防草シートの下でもしっかり生きられる。僅かな隙間を探して出て芽をだしてくる超厄介者だが、蛇の道は蛇と言うように彼らを撃退、消し去る方法はある。



遡って江戸の時代のお庭の除草はどうしたのだろう。


除草剤は無論、草刈機もないけど有り余る人手があった。当然のことだが手間賃が異常に安かった。

下女、下男そして非人までいた時代である。
実は植木職人とは草取りとは無縁な職人だった。
今でもそんな能天気な職人がいる。


一年草はともかく宿根層、多年草を地表から消し去るknow-howは隠れたビジネスになってる。



雑草と言われる草ぐさは私の飯の種になっている。


若い職人には「雑草を征するknow-howを持って、お庭仕事を請け負えば鬼に金棒だよ」と話している。



ひぐらしが鳴いている。梅雨の終わりを告げている。





一面に生えてたチガヤが消えた。これから植栽工事を始める。

みやぎ野造園

1977年宮城県仙台市で開業。現在は富谷市明石にて営業。 近年は庭石の撤去工事が多く、その石を破砕して再利用した お洒落なロックガーデンやガーデニングに力を入れています。