樹木の生態、性格その2

私の住いは高台にあり180℃展望できる。


近くも遠くも至るところで桜が咲いている。

桜と同時に柳の若葉の黄緑色も目に付く。

春を競っているような風情がある。


桜も柳も落葉樹で高木になる。

桜はさくらんぼを鳥に食べさせて種を運んでもらう。一方、柳は綿毛の中に種を包んでそれを風に運んでもらう。それらの種子の発芽、生育率は数パーセントだろう。大量の種子をばら撒いてその数パーセントに生き残りを託している。


雑木林は明るい。高木たちが太陽の光を浴びるのを競っている。その下の隙間を中木、灌木が溢れ日を受けてそれぞれ身の丈に合った生き方をしているようだ。


夏は鬱蒼としている雑木林だが冬場は落葉して屋根が取れた世界になり底木、灌木が日光の恵みを受けられる。その冬の光で生き生きしてる灌木や下草は無数にある。



一方、杉や桧林の森は人為的に植林された森だが遠くの山に黒く見える部分がそれであり、日本の森林の特徴でもある。


間伐された杉林は明るく見るからに健康的的だが放置された杉山は昼でも薄暗い。

蔓植物に巻きつかれて枯れたり、雪の重みで倒木して薄暗い森の中に光のオアシスがある。日陰で生きられるようになったものだけが寄り合って生きてる場所がある。

薮蘇鉄のようなシダ類、ヒトリシズカ、ショウマ、ヤブレガサ、そして杉林に群生する苦味が強くまたそれが美味しいシドケ・灌木では青木よく群生している。これらは日陰で競争相手の少ない世界を選んだ優れ者達である。


動物の世界も同様で危険が多い日中の活動より夜間に動く夜行性の生き方によく似てる。


同じ太陽の日を浴びて、そして同じ地球に住んでいれば生き物は全て同じような生活、生態で生きているのだ。


人間もその例外ではない。身近な自然を観察すると心なしか豊かになれるから不思議だ。


杉林の中の光のオアシス

シドケ山に遭遇

みやぎ野造園

1977年宮城県仙台市で開業。現在は富谷市明石にて営業。 近年は庭石の撤去工事が多く、その石を破砕して再利用した お洒落なロックガーデンやガーデニングに力を入れています。