世に憚る悪たれ者
人間の世間に言われる嫌われ者を指す言葉だが、
植物の世界にも結構幅を利かせて生きてるのがある。その最たるものが葛蔓だ。
葛根湯や高級和菓子の原料となるあの葛である。
この葛は日当たりの好きな植物で道路端、法面、造成地などに繁殖して其処に生えてる植物に覆い被さり一帯を我がもの世界と征服していく。
何処にでも生えていてその生息域は植生の不自然生が見るに堪えない。
同じ蔓性植物で山藤がある。
この藤も日当たりの良くないと生存できなく近くの高木に巻きついて締め上げまたその近くのより高木に巻きつきその上の高木へと巻きつき最高峰の植物となり他の植物を征服してしまう。
巻きつかれた木々はやがて息絶え絶えとなり倒木、巻きついた藤諸共倒壊する。
蔓性の植物は日当たりを好むので常に切って周囲の植物が日当たりを悪くすれば退散してしまう。放置してはこの植物の悪たれはますます増長、生息域を拡げていく輩である。
牛馬の力で農耕していた時代はマメ科の葛、藤は家畜の大好物な餌であるため農地や山林の草刈り後はそれらをかき集め家畜の餌とした。
牛馬の力や糞尿が不要な現在、マメ科の植物の葛や藤蔓を刈る人はいなくなり里山は荒れていく。
ロシアの独裁者の侵略も早くに根を切っていれば何万人もの命が犠牲にならなかった。自国の国民を搾り上げ、犠牲にして登りつめて世界を制覇するつもりがその自国が倒壊、破綻し共に奈落の底に落ちる。地べたに横たわった独裁者は自国民の罵声を浴び、無惨に踏み付けられている。そんな情景は近い将来見ることになる。
大木の楢の木が倒壊しその上に覆い被っていた山藤が無惨にも地べたに横たわっていた。今年は草むらの中で花を咲かせるのだろう。
誰も見向きはしない。
やがて雑草がその藤に覆い被さっていく。戦い敗れて山河あり、兵どもの夢のあと。
杉の木に巻きついた藤
柳に絡みつく葛
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