庭木の剪定と伐採
昭和のバブル時代、平成のミニバブル、そして3・11の震災後の復興バブルと生きてきたがよもや齢70を超えると若い頃は思わなかった。
時は全てのものに平等に刻むようになっている。
1970年から90年代は経済のバブル時代。住宅の着工棟数は年間180万棟も超えた年があった。瓦屋根の和風住宅が相当数あり伝統工法で建てられた住宅が主流であった。
その様な住宅に合わせて造られるお庭は当然和風そのものである。江戸時代から復元したような武家屋敷風の冠木門。その上に添えられた門被り松、引き戸を開けて見れば玄関までの園路は石畳敷その脇は丁寧に竹垣根を建てかける。懐かしい造園作業である。
平成のミニバブル時代は団塊世代の子息の方々の住宅需要であった。この頃は建売住宅は消え購買者の嗜好がハッキリとしてきて建築工法も短期間で資材の輸入割合が多くなり素材は進化多様の時代となる。
モダンな家に和風な庭木は似合わない。団塊世代の子息が好んで植えたのは外来種のコニファー類。いわゆる針葉樹、檜葉の類をこぞって植えられた。このコニファーは成長が早く移植が難しいこともあり植木鉢に入れたものが流通している。色が綺麗なことから20年前から大人気樹木となる。
どの木も毎年剪定してれば盆栽のようにちんまりしてるのですが、この針葉樹全般は成長率高くコニファーの中のゴールドクレストは20年で電柱の高さになります。樅木は山林の境界木として植えられるもので他の木を越えて成長します。
このようなコニファーにクリスマスの時期が近づくとイルミネーションを飾るのが大流行りです。
若い世代に好まれて大量に植えられたコニファーも20年も放置すると2階の屋根を越え大木になっています。
伐採する樹木は松、檜葉、桜などが多かったのですが、最近はコニファー類、樅木、トウヒなどクリスマス関連の樹木が多くなってきた。
庭木の剪定は毎年繰り返していればいくらもかからない。では、野放図に放置した庭木の伐採費用はどうなのだろう。
ミニバブルの後に世界的経済不況に覆われた。リーマンショックの頃は新卒者の就職先の定まらないのが多くいた。
江戸時代の復古版風、故郷の野山風。その後の流行りは洋風もどき植栽。いずれも手が、そして費用がかかることが広く認知されてきた。
「近年は植木が売れない」が業界の常識になっている。若い人が車に関心が薄く購買欲がないのに似て世の中の価値観が変わってきたのだろう。
その典型として、植木のない、草花も植えない、草も生えないお庭が増えている。
全く手がかからないのだ。敷地全面に防草シートや人工芝で覆うスタイルが流行りになってきている。
手のかからないのは当初だけであることは5年、10年後に分かる。
人工芝に大風で埃や砂塵が入り込む。靴の泥が混入する。その中の雑草の種子が発芽、開花、落種。
太陽光パネルもプラスチック製であり同様の課題がやってくる。
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