多産、多死、多害、多利、多楽。

新聞の特集記事にこれから30年間高齢者の死亡数が年間150万人を超えると予想している。確実に私もその一人に入るのだから観念している。

戦後、多くの外地派遣の帰還兵が子作りに励んだこともあり昭和20年から30年にかけてたくさんの子供がこの世に現れた。

この子らが後に日本の経済発展に大きく寄与するのだが医学や薬学の発展がその担い手の健康を支え若くして病死する人が少なくした。

一方で車社会で事故死する人は2万人超える年もあった。現在は年間5千人程度であるから色々な方面で長寿する要因が作られて80歳を超える人はそこら中にいる。

そんな長寿社会を見越して高齢者向けの施設やその方達のためのビジネスもよく目に付く。

身近な鼠や、豚などは一度にたくさん産んで誰かに食べられてもその一部の生き残りに子孫を残す方策として多くの乳房つけている。

野山に生息している猪は誰にも食べられなくなった。彼らの生息域は阿武隈川を泳ぎ北上、北上川を渡りどんどん北上している。水道管が凍結破裂する寒さが近年なくなり彼らの生息域を北上させている。燕もあまりの暑さで涼やかな北方へ移動してるのか見られない。

有機農法を目指して田んぼに堆肥を入れてる方の田んぼは田植えの済んだ後に無残にも掘り起こされている。堆肥の入れた方のところだけでこぼこ状態である。一度ならず繰り返し掘り起こされる。堆肥特有の匂いがミミズの生息地として猪の大家族が大挙して掘り起こす。

猪に掘り起こされる有機農法は誰も取り入れない。幾年も荒らされるのでその田んぼは放置している。田死。

私の圃場に井戸がある。何も囲いが無い。闇夜に歩けば確実に転落する。ある日水汲みに行ったら三匹の猪が並んでいた。這い上がれなかったのだろう。大きく、重くて引き揚げに難儀した。多死。

私は雨の日に釣りに行く。幅広の形のいいヤマメ釣れるところに通っていた。釣れない日が続いた。ある日とうとうきた。大物だ。上がらない。なんだろう、この引きは黒鯛の引きのようだ。若い頃海釣りの対象に黒鯛釣りをしていたのでそう感じた。針にかかっていたのはブラックバスだった。上がらない。ヤマメはこいつらの食べ物になっていた。ミミズを食べようとしたら彼らが出てくる。怖くて出てこれない。多害。

6月に入ると暑い日が続く。春草の退場時期で夏草が繁茂している。道路や公園の一回目の草刈りのシーズンです。あちこちで作業のため通行規制をしている。その雑草の多くは外来種である。牧草としてアメリカや北欧から輸入された草である。名前からして明らかに外来種であることがわかる。イタリアンライグラス、メリカンカルガヤ、アメリカヤマゴボウ、アメリカオニノゲシ。草が生えることで仕事が増える人もいる。多利。

雑草が生えて悩ましい人がいる一方で雑草を探すのが楽しみという人もいる。一般的には信じ難いかも知れない。芝庭の雑草探し、花に囲まれたいガーデニングマニアのお庭ではオーナーさん曰く花々の中の雑草をとるのが楽しいだって。多楽。



この芝庭は2週間に一度刈るとこうなるとオーナーさんが言っていた。


確かに雑草を探したくなる。黄色の花は南アフリカの野草だそうだ。コツラ、豚菜の花に似てもいる。豚菜は路肩に生えていて雑草扱いである。

剪定作業を依頼されたが足の踏み場がないので冬季の作業にする事にしたマニアのお宅

宅地の法面に群生する豚菜。 こちらは欧州の雑草だそうだ。誰もが美しいと思う。

みやぎ野造園

1977年宮城県仙台市で開業。現在は富谷市明石にて営業。 近年は庭石の撤去工事が多く、その石を破砕して再利用した お洒落なロックガーデンやガーデニングに力を入れています。