クワガタ取り
毎朝日課にしていることがある。
通勤途中の里山の町道脇に生えてる柳の木に取り付けてあるバナナを見にいくことだ。
カブトムシやクワガタムシの寄り付きの確認である。
近所の5歳になる坊やと捕まえてあげるからと約束しているためである。
幸いミヤマクワガタのつがいを捕らえられてその約束は果たしたが、他のクワガタを何とかして捕まえてあの坊やの喜ぶ顔を見たさに寄り道をしている。
だがカナブンしか見当たらない。
ヒラヒラ飛んでるを樹液を吸う蝶がいれば、その周囲に目指す虫がいるはずなんだけどなかなかそれも見当たらない。
アゴの強いスズメバチが樹皮を齧って巣の材料とする。
その傷ついた箇所から樹液が滲み出てくる。そこに虫が寄ってくる。
目指す木を暫く見上げてると蝶、カナブンなど飛んでいる。カブトムシやクワガタムシもいるはずだがスズメバチは無論ほかの虫は見当たらない。バナナだけが干からびて度々付け替えが続く。
楢の木や柳の木は昆虫類の寄り付くのがよく知られてる。
虫取り名人に聞いたのだが昆虫が好む木は楓だと教えていただいた。
その木の枝を折って滲み出てくる樹液を舐めてみるとかすかに甘い。
カナダの国旗の楓は砂糖楓でメープルシロップを作ってる。同じ類の楓が日本にもある。
山歩きの折、林道脇によく見かけられる木である。除草作業の折、道路にはみ出た枝を切られてる。その切り口にクワガタムシがついてる。樹液が甘いのをよく知っているのだ。
子供の頃それぞれに秘密の虫取り場所があった。捕まえた虫を各々見せ合い戦わせて遊んだ。
そんな幼少期の遊びを今なお続けてる。夏には夏の過ごし方や遊びがある。
クワガタムシを見つけた時の感動は子供の頃より薄れたがそれでも楢や柳、楓を見ると眼を凝らして虫探しをしてる。
季節がもっと穏やかに巡ってくれれば四季の楽しみは多いのだが、この猛暑にヒグラシもクワガタムシも出場するタイミングに悩んでいるようだ。
ところで、今年のサンマは大型で刺身を楽しめそうだとニュースキャスターが言っていた。
猛暑の中にも秋の気配が聴こえてくる。
白い乳液が出る楓。高木になる。この木を見つけたら虫取り名人になる。
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