昔の話。
台風が東北地方に直撃だ。1週間後にまた来る。
お盆休みは晴れ日無し。
猛暑のこの夏は台風が押し出してくれるかも知れない。
曇りで30℃だから雲がなければ東京並みの暑さだろう。
昼休みに70歳前後の3人の仲間と話していた時、
「そういえば今年は蚊に刺されたことがない」という話になった。
思えば確かに、夜の網戸に虫は寄り付かない。蜂の巣に遭遇しない。
クワガタ取りの餌を着けても寄ってこない。
ニイニイセミ、ヒグラシ、アブラセミ、エゾゼミ、ツクツクホウシは一斉に鳴いている。
ヒグラシは梅雨明け前後、ツクツクホウシは涼しくなってくると大騒ぎするかのように大合唱するのだが、今年は蝉の混声大合唱だ。
30℃超えの猛暑は色々なところに影響している。
身近なところでは芝刈り、除草剤散布、草刈りの作業回数が増えた。稲の登熟が始まったばかりの稲の草丈が伸びすぎて転倒している。
気象予報士の話では80年前、1940年代も長い猛暑日であったという。
当時は戦時中の猛暑日で扇風機などまだ普及してない時代だ。私もまだこの世にいない。
同僚の仲間と子供のころの生活の話で盛り上がった。
「蚊がいない」の話から蚊帳のことになり「蚊帳の中に入った蚊に悩まされた」「指先を刺されるとたまらなく痒い」「瞼を刺されるとまるでお岩さまだ」等々、、、。
蚊取り線香はなかったといえば、蓬や青杉の葉を燃やしもうもうと煙を起こし蚊を追い出した。
人間も外に避難するほど息苦しい蚊遣りだったと皆記憶一致して大笑いになった。
雨降れば鍋釜、盥、丼、あらゆる器がトンチンカンとなる雨漏りの光景。
寝て眼をこらすと星が見え、ひび割れた土壁から冷たい雪まじりの風が吹き込んできた。
学校に行くけど満足な鉛筆や帳面もなく、自分で編んだ藁草履を履いてテクテクと学校へ。
おおよそズルで休んでも中学へ進み、満足な読み書きもできないまま世に放り出された。
共通してたのは共に親がなかった。
笑って談笑してたが皆目尻に涙が湧いていた。
「渡る世間に鬼はなし」鬼がいたら今がないと皆納得。
日本の美学そのものだ。
コウロギの鳴き声が賑やかになってきた。
0コメント