和風、洋風、南洋風、北欧風
最近はさまざまな外来植物が目につく。
まず名前からして外来種である。アメリカーナ、アメリカフウ、ロシアンオリーブ、ジャーマンダー、イタリアンポプラ、ドラセナまだまだ延々とある。
江戸時代に限りなく近い時代に生まれた私などは黒船が江戸湾にに現れた驚きに似ている。
路傍に生えてる雑草はほとんど外来種でありその中に在来種が混じってる。
夏にはタンポポの花のような首の長い黄色い花びらがゆらりゆらーりと至る所に咲いているが、これは豚菜。
今盛りの黄色い三角錐の粟粒の花、人間の背丈ほどになるセイタカアワタチソウ。
近年は外国人の訪問客が1千万人も来る時代、その人々の服や靴底についた植物の種が日本に落としていったかもしれない植物が相当数あるだろう。
食糧や牧草の輸入品の中に混じって大方の外来種が入ってきたのだろうが、信じられない猛毒で見るからに毒々しいアメリカヤマゴボウ。
縫い物針が全葉先について素手で触れないアメリカオニノゲシ。
このような植物の種子が輸入品に混入してきたのだろうか。
私の植木圃場の近くに15年ほど前まで競走馬の牧場があった。
日本の高額納税者トップ5に入る不動産屋のオーナーの牧場であった。
そこを大手住宅メーカーが住宅地にした。
その新興住宅地にアメリカオニノゲシやアメリカヤマゴボウが至る所に生えている。
馬たちの餌の牧草から広がったのだろう。馬糞は堆肥として引き取り手が多い。またその引き取り手から広範囲に広がる。
日本人の生活スタイルは昔ながらの畳の上で寝起きする生活から椅子やベットに変わった。
いわゆる和風から洋風。確かによく手入れされた和風家屋や庭園はは日本人の心吟に触れて言いようもない懐古心に駆られる。
世界最大に成長するオーストラリアのユーカリ、ロッキー山脈に生えてるゴールドクレスト、ブラジルのココスヤシ、その樹形は広大な原野の勇姿であり5、60坪の敷地に植えて楽しむ洋風の樹木なのか? unmatch に思えるのは私だけなのだろうか。
伐採依頼のベスト5にゴールドクレスト、エメラルドグリーン、ドイツトウヒ、ユーカリ、スモークツリーこれらは全て外来種。とんでもない巨大樹木になる。
確かに広大な敷地に植えられて洋風気分は味わえる樹木だ。
もちろん日本の在来種もある。
そのベスト5は、松、桜、梅、モミの木、カツラ。これらは全て高木になる。
毎年剪定していれば狭い敷地に植えて眺めることのできる和風の樹木である。
放置しては単なる山の雑木と変わらない。
最近はこの木は落葉樹でしょうと言われる木が常緑樹として現れた。
山帽子、エゴの木、紅葉、ガマズミ。
これらは台湾もしくは大陸の南方から来た種類でこれまで落葉樹としてきた概念がひっくり返るような樹木だ。信じられないけど確かに落葉樹とそっくりである。
当然寒さにはすこぶる弱く北限は関東あたりであるが、当地仙台にも運ばれている。
ロシアンオリーブ 名前からしてロシアから来たもののようだが内陸の乾燥地帯が原産と言われ正体はグミの木だ。一見柳の木と見間違うような代物だ。銀色葉に惹かれて人気がある。
ココスヤシ 南米ブラジルから来たシロモノで葉周り5メーター四方に広がる。
南洋風に憧れるマニアック好みだ。
白樺 日本の国の木は桜だが白樺はフィンランドの国の木だ。当地仙台の郊外の山地千メートルあたりに自生しているが、最近ではジャクモンティと呼ばれる白樺が出回っている。
この種類は苗木の頃から真っ白でいかにも北欧風だ。
極寒の地に生えて真っ白な白樺、なぜこの木は白いのかこれを調べたら植物学者になれる。
最近、伐採の依頼が来るようになったオーストラリヤ原産のユーカリ。これはコアラが餌にしている木として有名。
また頻繁に伐採する木にコニファーのゴールドクレスト。アメリカのロッキー山脈の映像の中でこの木の群生地を見かけた。巨大なゴールドクレスト林だった。狭い敷地に植えて楽しむ木ではない。
名前にアメリカやロシアとついてるから彼の地の原産とは限らない。名づけ親が見た目のイメージで付けている。
植物の名前はイメージとぴったりなのが沢山ある。
都忘れ、風知草、屁糞葛、継子の尻拭い、大豚草。
その反対にかわいそうに、unmatchedな名前を付けられた花もある。写真の豚菜。
樹木ではブルーアイス、ブルーヘブン、ブルーカーペット、ローソクのように生えるローソン。
大木で風が吹くと葉がすれ違いカラカラと鳴くのでついたヤマナラシ。
確かに見た目や音などのイメージでついてる。名付け親は天才です。
法面に群生した豚菜。ヨーロッパの植物。在来種の姿が見えないほどに繁茂してる。
首丈が長いので微風に揺られてる姿は一見、感動ものである。
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