桜が咲いた。
冬の色は墨絵の世界だな。何か無機質な世界。時間が止まってるようだ。
1日に例えれば夜の時間、冬の小寒、大寒あたりは草木も眠る丑三つ時にあたるのだろう。
丑三つ時と言えば30年前の米国がイラクに侵攻した時は正しく丑三つ時であった。
織田信長が今川の桶狭間を攻略したのも丑三つ時である。
草木も眠る季節の丑三つ時から桜が咲く季節が明け六つどきになる。
今がその時期にあたるのだ。
入園式、入学式、入社式を桜が祝っている。今日の入学式は満開の桜である。
そんな風景が日本の原風景なのです。その美しさは何も京都や奈良が代表されることでもない。
日本の至る所が日本の京都であり奈良なのだ。
今から遡って江戸時代の幕府が敷いた参勤交代の制度が「染井吉野桜」を日本全国に広めたと言われる。その名の染井は江戸郊外の染井村で吉野は奈良の吉野地方、双方の山桜同士を掛け合わせて生まれた桜である。
当地仙台にも染井桜と同時に咲く桜がある。どの桜より一番早い。
想像だが関東地方の桜、染井桜と同じ種類なのだろう。他の山桜は染井吉野桜が散ってから葉っぱと同時に咲いてくる。なのでいまいち華やかさが薄い。
染井村の植木の研究家が葉が出る前に咲く山桜の染井桜と吉野桜に目をつけ交配したものだ。
交配、改良を繰り返して今はたくさんの感動的な桜が出回っている。
美しい日本は桜だけではない。
身近な小川さえ川底を覗いてみたくなる。
ドジョウやカエル、ミズスマシ、ゲンゴロウ。子供ならずとも網を持って掬いたくなる。
東京の多摩川や荒川に鮎が遡上するし、当地仙台の街ん中を流れる広瀬川は鮎釣り場として名高い。
近年は外国の観光客が多い。
北海道でスキーを楽しむようにまた都会で美味しいものを味わうように少し僻地を訪れて鮎の塩焼きや岩魚の田楽焼き、山菜の天ぷらそして里山の美しいものを紹介して欲しいものだ。
50年前の日本は汚水やゴミの世界であった。民度の低さは誰しもが知っている。
美しい桜の下は夥しいごみの放置場所であり、旅の恥は掻き捨てそのものであった。
衣食が足りるようになり正義や善意、日本人が持つ優しさが、外国人が羨む今の日本になった。
桜の美しさは日本人の美意識の象徴である。
故郷の桜 奥州涌谷城下の江合川川畔の桜並木、小中学校の通学路である。
北国の春
0コメント