木と虫の共生のお話
冬至、小寒、大寒となり今週は−10℃の大寒波がやって来る。あと10日後に立春がその15日先に雨水、また15日先は啓蟄と春の足音が聞こえるようになる。春に近づくと落葉樹の木々の芽が噴き出す。
これらの樹木に共通しているのは新芽が出るのが速いが落葉するのは遅く他の木より寒さに強いのだろう。
気温5c。を超える日にモミジの剪定すると切り口から樹液が吹き出してくる。早春に一気に気温が10c。ぐらい上がるとピュッと噴き出す。新芽を吹き出そうとする働きなのだろう。
午後に気温が下がり始めると樹液の吹き出しは止まり樹体から水分を落とし夜の寒さで樹皮が凍るのを避けている。
モミジに寄生する油虫はモミジの新芽が葉を開き始めると土中で寒さを凌いでいた彼らも、気のはやるものからそろそろと地表に顔を出しモミジに登りだす。
気温が上がると一気に原宿の竹下通りの様になる。1ミリ程の油虫が5mもあるモミジの葉先までどれほどの時間を要するのか。先頭を我れ先と行く気のはやるもの、のんびりと殿をゆくもの、チャッカリと蟻さんの足に取り付いて登るものがいたり、私たち人間の身近な生態を見てる様な気がする。
油虫はもみじの樹液をいただき蟻さんは油虫のフン、分泌液をいただきます。
おおよその樹木は空に両手を上げるよう万歳していて、漏斗の形をしています。この形は太陽の光を満遍なく受けるためであり枝葉の先から雨水を集め幹を伝わり根本に流れ、そこにお住まいの蟻さんの家に吸い込まれます。
蟻塚は深いのでモミジの木は大助かりです。
灼熱の夏場はこの蟻塚に入る雨水で凌げる。
モミジの木にとっては樹液を吸われ、根本を掘られ迷惑千万とみられがちなものだが、しっかり彼らを利用してるようだ。
梅の実、モミジの葉、白樺の白い樹皮が黒いのは油虫のフン、分泌物に黒かびが発生したためで多少の障害は植物と虫の共生環境のために肯定的にみてやりたいものです。
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